外部の大学院に受験したということで、受験記なるものを書くことにしました。
今年は某ウイルスもあり、受験した大学院はどちらもzoomを用いた遠隔試験となりました。 従って、例年とかなり試験内容が変更されていることを念頭に置いて下さい。
追記:2023年3月31日
2023年3月をもって,大学院を修了しました.
受験した大学院、専攻とその結果
東京工業大学大学院情報理工学院情報工学系 (B日程)
東工大の大学院入試ではA日程とB日程という2つの日程が存在します。
(詳しくは募集要項でも読んで下さい)
例年通りなら
- A日程は口頭試問のみ
- B日程は筆記試験と口頭試問
となっており、A日程の方が受験者としては嬉しいです。
上記の選抜基準ですが、GPAや英語の外部試験の成績あたりが使われるらしいです(?
GPAには多少自信があったのですが、私は残念ながらB日程でした。
口述試験
3時間?ほどの筆記試験は廃止され、15分の口述試験が代わりに行われました。
筆記用具と紙は使用禁止で、口頭のみで答える形式でした。
出題科目数は4問で、内3問は必須科目、1問は選択科目でした。
やらかしポイントは、
名古屋大学大学院情報学研究科情報システム学専攻
気になった方はDMで聞いて下さい。
筆記試験対策
今年度は、某ウイルスで遠隔での口述試験となりましたが、筆記試験の対策が結果として口述試験に生かされた部分もあるので、私がした筆記試験対策を紹介します。
過去問を手に入れる
過去問は命。
大学のHPからダウンロードしました。
過去問の予想解答を作る
最初は全然解けなかったのですが、学友と時間をかけて何とか予想解答を作りました。
過去問から苦手分野や対策すべき分野を特定した後、その周辺も含めてとにかく勉強する
これがスムーズにできたら苦労しない。
excelやtrelloなどを使って傾向をまとめるといい感じになります。全体を俯瞰するためにも是非やってみて下さい。
私の場合はこんな感じです。
例えば、OSは大体メモリ管理か排他制御が出てるな、など。予想が外れた時が怖いので、もちろん他の分野も勉強しました。
大学のシラバスを見て、学科で取り扱った内容や採用図書を確認する
大体どこの大学も、授業内容や採用図書から出題されると思うので、この作業は大事です。
プリント配布系の授業は、内部生に友人がいない私は諦めました。
とりあえず10年分くらいやる
情報が命なので、最終的に12年分を2周ぐらいやった気がします。
名古屋大学の方は、大体2,3年やれば分かりますが、論述の問題が毎年必ず?あります。 (オペレーティングシステム、計算機アーキテクチャは特に。確率統計もそこそこ。)
例えば過去に以下の3つに似た問題が出題されました
私のような説明が不得意な人間は早めに過去問を解いて説明する訓練をした方がいいです。私は2月頃から始めました。
口述試験対策
先ほどの筆記試験対策をしていると、口述試験へ移行するとの通知が、試験1~2週間前にきました。辛い。でも従うしかない。 上の内容を踏まえて、聞かれそうなことを口で説明できるように心がけました(全部は無理)。 念の為、学友と何度か模擬試験を行い、質疑応答の練習をしておきました。
名大の対策に使った教材
過去問を解いた際、主に参照した教材や演習のために使用した教材を紹介します。
演習のやりすぎで、傾向に固執したり、基礎事項を忘れないように気をつけて下さい。試験形態の変更もあって僕はこれで死にました。
なお、教科書はシラバスから特定したもので、実際にしようされていたかは不明です。
確率統計
例年なら、高校数学の確率から検定までオーソドックスな問題や、100字程度の記述問題が出ます。頑張りましょう。
教科書はこれです。
検定の問題に慣れるために下のマセマ本を使いました。
論理学(筆記は無理)
東工大との併願もあって私はこれで勉強しましたが、名大の範囲とは離れているため、やめた方がいいと思います。東工大対策にはお勧めします。
おそらく教科書はこちらですね。(間違っていたらごめんなさい。) 解答が欲しいのに載っていない。。。
オートマトンと形式言語
NFA, ε-NFA -> DFAの変換、正規言語を受理するDFAの作成、正規表現の生成、最小化などオーソドックスな問題が出ます。稼ぎどころなので選択すべきです。たまに癖の強い問題が出ますが、過去問を解いていたらなんとかなると思います。
反復補題が何年か前に出たので、正規言語と文脈自由言語どちらもやっておいた方がいいかもしれませんね。
私は下の資料を参考にしました。
特に計算理論の基礎がお勧めです。院試対策前は全く理解できなかったのですが、これで何とかなりました。
オペレーティングシステム
排他制御とメモリ管理がよく出題されています。頑張りましょう。
おそらく下が教科書です。
GCの知識を深めるために読みました。
プログラミング、データ構造とアルゴリズム
ハッシュ、文字列操作、ポインタあたりが出題されていました。
対策として、下の2冊を読みました。(1冊目はおそらく教科書)
2冊目はポインタの理解のために読みました。
論理設計
過去問解き、下の本で復習しました。頑張りましょう。
一応教科書にも軽く目を通しました。
計算機アーキテクチャ
毎年60~100字程度の論述が数問出ますが、対策すれば安定してとれる..かも。
過去に除算アルゴリズムが出たほど癖が強い?傾向にあるので、 他の科目も答えられるようにしておいた方が全体的に安定すると思います。
過去問演習と下の教材の反復をしました。
パタヘネ本と、弊学の採用図書、東京大学の坂井修一先生のpdf
コンパイラ
少なくとも私は無理でした。初見殺し。バイバイ
離散数学
初見殺しが多い気がします。私は無理。でも面白い問題が多い。好き。
ソフトウェア設計法
わからん。数年前にER図が出てたような
情報ネットワーク
過去にOSI参照モデルの各階層の名称と機能を答える問題が出ました。
その他
全国の大学の授業資料(pdf)
本当に助かりました。
来年筆記試験があるならどれを選択するか
オペレーティングシステム <- これもいい
確率統計 <- 安定
あとはその場で解けそうなら選ぶ、という感じですかね。あまり一極集中しすぎると予想が外れた時に危険なので、6~8科目ぐらいはできた方がいいんじゃないですかね。
現に私は、一番勉強した計算機アーキテクチャの予想を外し、選択しませんでした。
来年あたりに大学院入試を受ける予定の方へ
来年もオンラインで院試を行うかどうか不明ですが、とりあえず筆記試験を念頭に対策頑張って下さい。
退路は確保しとけよっ!
終わりに
正直、記述では東工大の方が自信があったのですが、口述ではミスったら即落ちゲーと化してしまったがために落ちました。しゃーない。 ですが,試験対策自体が論理学を勉強する良い機会になったのと、名大の院試でそれが生かされたので結果OKということで。
あと名大は記述が鬼畜ゲーなので、口述になって助かったかもしれません。知らんけど。
残り半年は,卒研をがんばります。